まずはシエナの街のユニークな特徴の一つであり、パリオとは切っても切り離せないコントラーダについて説明しましょう。
シエナの中心街は、17つの“コントラーダ”と呼ばれる地区から成っています。それぞれのコントラーダは、独自のカラーリングと動物などのシンボルを持ち、人々はそれぞれのコントラーダの中で家族のような付き合いをして過ごします。コントラーダは、古くはシエナ国の栄えた13世紀ころの軍隊の編成地区“三分割区”を原点とした、今もなお歴史と血筋を受け継ぐ伝統そのものなのです。
パリオ祭とはこれらの地区同士による競争で、優勝した地区にはパリオという旗織物が授与されます。それは彼らにとって歴史的遺産であり、喜び、名誉、誇りの象徴でもあるのです。
シエナのコントラーダの人々はカピターノ(コントラーダ代表)を中心に、夏季に行われるパリオの勝利を願い日々生活しています。
それでは、実際にどのようなコントラーダがあるのか見てみましょう。
かつては42あったシエナ中心街の基本地区は合併や消滅を繰り返し、1500年代ごろに23地区に減少。そして1675年に23地区から6地区が消滅し現在の17のコントラーダとなりました。※消滅した6地区、にわとり(ガッロ)、ライオン(レオーネ)、熊(オルソ)、強剣(スパーダフォルテ)、マムシ(ヴィペラ)、樫の木(クエルチャ)